令和元年6月3日第25966号の長崎新聞に、横田亮輔院長の投稿が掲載されました。
【以下全文】
進行すると感染症誘因に
[問い]口の中の乾きが気になるようになりました。このまま放っておいても大丈夫でしょうか。(島原市、60歳女性)
[答え]口が乾くと食事がしにくかったり話しにくかったりして、不安になったことと思います。
口が乾く疾患を口腔乾燥症といいますが、ほとんどは唾液の分泌量の低下により起こります。原因としては大きく分けて①薬の副作用②唾液腺自体の局所的疾患③免疫疾患の一種であるシューグレン症候群、糖尿病、脱水、腎臓の疾患などの全身疾患④加齢⑤ストレス⑥自律神経⑦口呼吸や喫煙、過度のアルコール摂取ーによるものが考えられます。
唾液は、消化・免疫機能において重要なだけでなく、口の中に適度の湿潤を与えて、食べる際や飲み込む際の潤滑剤としての役目を果たします。従って、口腔乾燥が進行すると、感染症の誘因や摂食・嚥下障害につながります。味覚障害や舌・粘膜の痛み、虫歯や歯周病の進行、入れ歯が合わなくなる原因にもなります。
それでは、どのような対処をしていくのでしょうか。たくさん薬を服用している人は、薬の変更や減量を(内科などの)主治医と相談することがあります。唾液腺自体の疾患や全身疾患と関りがある場合は、その治療が必要になります。
唾液を増やす効果がある唾液腺マッサージや、舌の体操をして、唾液の分泌を促すようにすることも効果的です。それでも不十分な場合は、保湿剤や人工唾液の使用をお勧めします。▶口が乾く▶味覚が変わった▶入れ歯が合わなくなってきたーなど、口の中の変化を感じた場合は、放置せずにご相談ください。
2019年06月03日 15:12